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学芸員のひとりごと

コハクチョウの里にナベヅル飛来

コハクチョウの里にナベヅル飛来_e0132674_13335791.jpg暖かい日が続きます。
我が家からほど近い安来市の某所。
多くのコハクチョウが日中えさをついばんでいます。
ある日、その群れの中に見慣れない大型の鳥がいました。
双眼鏡でのぞくとナベヅルでした。

渡りの途中で迷い込んだのでしょうか。
ある川の河口付近をねぐらにして、そこから田んぼに通っているようです。
西日本各地では、デコイをつくってナベヅルに来てもらおうとしていると聞いたことがありますが、まさか安来に降り立つとはと驚いてしまいました。

親や仲間とはぐれ、白鳥の群れと一緒に行動する姿を見て、かわいそうに思いました。
シベリアに帰る時、また仲間に遇えますようにと願いながら、遠くから見守っています。
# by zingakugei | 2015-12-24 13:34 | 或る日の出来事

白鳥と紅葉

白鳥と紅葉_e0132674_1244443.jpg毎日、家から美術館まで約30分かけて出勤しています。
この時期は、白鳥に遇うため、いつもと違うコースを走ります。
安来市赤江の干拓地には、今年、5~6組の白鳥の家族がやってきました。
朝から夕方まで、田んぼで餌を探しています。
飯梨川に沿って山あいの美術館に向かう道から見えるのは、霧のかかる美しい山並み。
水墨画のように見えるときがあります。

美術館のある広瀬町布部は、山中鹿助の闘いの場所として知られています。
そこの真ん中にある要害山は、今紅葉の真っ盛り。

毎朝、石見の景観とは違う景色を楽しんでいます。

白鳥と紅葉_e0132674_1245923.jpg

# by zingakugei | 2015-11-24 02:52 | 或る日の出来事

永原雲永の銘品公開

永原雲永の銘品公開_e0132674_10331264.jpg安来市加納美術館では、現在「布志名焼の世界」展を開催しています。
この展示の準備をしている時、「色絵山水図角花入(いろえさんすいずかくはないれ)」という作品に出遇いました。
黄釉に緑・赤などをふんだんに用いて、深山にゆったりと暮らす人物が描かれています。その中に、池大雅の「十便図(釣便図)」と酷似していた図があってびっくり。

花入の作者・永原家6代(陶家3代)永原房則(ふさのり)(1831~1891年)は、幕末から明治にかけて活躍しました。
特に、明治維新後は、工夫を重ねて海外向け洋食器や花瓶など多彩な作品を作り続けました。
この絵柄が誰かの指示によるものか、雲永が自ら考案したものかは定かではありません。
私は、先人の作品を巧みに採り入れつつ、色絵に物語性を持たせ、見る者の想像力を誘い出す手法に感服しました。
これこそが、本質的なものを大切にしながら、新しい変化を求め続けてきた布志名焼の魅力かと思います。
多くの方々に布志名焼の魅力をお伝えしたいと願いながら展示ケースを拭いています。
# by zingakugei | 2015-11-12 10:40 | 安来市加納美術館

中原芳煙の生家公開

中原芳煙の生家公開_e0132674_19591282.jpg11月3日、美郷町潮村にある画家中原芳煙の生家が特別公開されました。
10時の開場とともに次々にお客様がいらっしゃいました。
江戸時代後期に建てられた家のあちらこちらに芳煙の作品があります。
特に、仏間の「松樹図」と客間の「秋草図」は圧巻です。

「秋草図」の上にある欄間彫刻は初代清水巌の作と伝えられています。
秋の柔らかな陽光が部屋を照らすと、彫刻された虎が黄色く輝き、龍も赤くなりました。
これには居合わせた人たちがびっくり。
15時まで500人ほどの方が来場くださいました。
隣接する潮会館では集落の方々がお抹茶の接待。一日中車の誘導をなさった方もいらっしゃいました。皆さんのご助力にただただ感謝しました。
終了後、集落の皆さんに中原芳煙の生涯についてお話しさせていただきました。

ご来場くださった皆様にも心より感謝申し上げます。
中原芳煙の生家公開_e0132674_19585584.jpg

# by zingakugei | 2015-11-05 19:59 | 学芸員の仕事

中原芳煙展はじまる

10月31日から島根県美郷町のみさと館で「没後100年中原芳煙展ー早世した天才画家の思いー」が始まりました。
会場には、代表作「月下三鹿図」や「群鹿図」はじめ本画・素描あわせて33点が出品されています。このうち、25点が初公開です。

生家に残る著名画家の作品を模写したものや、デッサン帖も出品されています。

これも3年半に及ぶ作品調査の成果です。
懸命に調査をされた美郷町教育委員会の職員に感謝します。
この展覧会を機に、中原芳煙の画業を正しく評価し、彼の画業を次世代に伝える気運が高まることを願っています。
11月3日には、生家の特別公開もあります。
多くの方に、芳煙の人生に触れていただきたいと思います。
中原芳煙展はじまる_e0132674_1949867.jpg

# by zingakugei | 2015-11-01 22:15 | 学芸員の仕事



安来市加納美術館館長の神(じん)英雄が島根の魅力と美術館情報をお届けします!

by zingakugei
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