学芸員のひとりごと

高鳥九兵衛の頌徳碑

e0132674_1847548.jpg仰誓のまとめた「妙好人伝」(2巻)には、高鳥九兵衛という妙好人の話が載っています。

ある夏、日照りが続いていました。
石見国邑智郡出羽(いずわ)村(現島根県邑南町)に住む九兵衛が自分の田んぼを通りかかると、隣の人が水を盗み、九兵衛の田んぼが干上がっていました。
これを見た九兵衛は、家に帰って仏前に灯りをともし、家族に対して、「これは、かつて私が他人に悪さをしたことがあって、今になってその過ちを教えられたのだと思う。若い頃の私なら腹の立つまま大声をあげて怒鳴りちらして、隣の田んぼの水口を塞いで、うちの田に水が入るようにしたと思う。でも、自分はかつて犯した罪に気付かせて頂いたのだ。お礼を言わずにはおられないのだ」と話しました。

これを聞いた村人は、それ以後九兵衛の田んぼにはちゃんと水が入るようにしてくれたといいます。
昭和5年に高善寺を訪問された大谷光照門主はこの話を聞いて大変喜ばれ、「九兵衛同行頌徳碑」の文字を揮毫され、20年経った昭和25年に地元の方々が頌徳碑を建立しました。

今日、地元の日高久志さんのご案内で邑南町奥亀谷にある頌徳碑をお参りしました。
地元の方々が大切になさっているのを見てうれしくなりました。
                 (2013年11月4日)
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by zingakugei | 2013-11-04 18:47 | 妙好人と石見人
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