浜田市世界こども美術館では、企画展「はまだの美術」が開かれています(~7月15日)。
今日(6月7日)、日本画家中原芳煙のふるさとに住む方々(島根県美郷町)がバスで来館くださいました。
皆さんを前にギャラリートークさせていただきました。
展示されているうちの1点「霊峰富士」を紹介します。
制作時期は不明ですが、30代の作品ではないかと推定されます。
雄大な作品ですが、実は細部に緻密な描写がされていて、谷筋が1つずつ丁寧に描かれています。
ここ浜田は太宰治の妻美知子の出身地です。
父親の石原初太郎は富士山の研究者として知られていますが、1907年の皇太子来訪時、浜田中学校校長としてこの地に住み、歓迎行事を計画・実行しました。
その浜田中学校の卒業生が描いた富士山の絵です。
もしかすると、芳煙は初太郎の影響を受けたのではないか、そんな想像をさせてくれますが、芳煙は初太郎が赴任する10年以上前に卒業しています。
いずれにせよ、私たちに夢を与えてくれる作品です。