1965年9月14日、「ミラ・コーヒー」が日本橋三越デパートで販売されました。200グラム入り缶の販売価格は80円。
販売に先だって案内状が関係者に送られました。
初秋の候皆様には御健勝のこととお慶び申し上げます
永い間、私の夢であったコーヒーのカン入り『ミラ・コーヒー』の企業化を実現、今回三越からデビューすることになりました。
就ては、来る9月14日から日本橋三越で販売いたしますので、御試飲の上お買い上げ下さいます様お願い致します。(下略)
売れ行きは上々で評判も良く、翌年1月には新たに株式会社三浦珈琲商会を設立し、3月には関西を中心に百貨店や国鉄の鉄道弘済会売店(現キオスク)などで販売されました(下の写真のポスターは1966年に制作されたもの)
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これにあわせて大阪の朝日放送ラジオでCMも放送されました。
売れ行きは順調でした。夏の間だけ製造しましたが、担当していたのは高校に通いながらヨシタケコーヒーで働いていた女性でした。
週のうち3日間、店から数百メートル離れた浜田市錦町にあった作業場で大型のネルを使ってコーヒーを淹れ、それを牛乳樽に詰めて浜田缶詰の工場に運びました。中身は店で提供しているのと同じコーヒー。注文が殺到して製造が追いつかないほどでした。